焦っても嫌がっても。

3/26、池袋からバスに乗る。バイトを終えて、顔を洗って、顔を整えて服を衣装に着替えて、あの手狭なトイレからぱたぱたと出て来てローファーをトントンとする、きっとその瞬間からもうライブは始まってたんだとおもう。渋谷駅まで小走りに、池袋駅から小走りに、撮影をお願いした人と待ち合わせて、そこから一緒に缶のお酒を飲みながらバスターミナルまで歩いた。前日に帯同を頼んで、それはやっぱり結構無茶で、だけどそれで今ここだ、それはやっぱり嬉しかった。無理を受けてくれた事よりも、嫌じゃ無かったから受けてくれたんじゃないかって、そう思えた事が嬉しかった。格好悪いけどね。それから色んな話をした。声が伸びて、明かりも落ちて、真夜中ひとつ密かな思い出が出来た。バスは揺れる。景色を見ないまま鉄の塊は走った。目が開いて、神戸の三宮で降りて、降りると街はやっぱり雨だった。何度か通った元町の辺りを、誰かと歩くのも最後かなぁと思いながら、低気圧依りの思考の上、高架下を見知った風で歩いた。ストップ。あーこの時の雨 シトシトかぽつぽつか思い出せねー。どうだったかな、ああだめだこんなんじゃえっと(全日本雨ソムリエ協会名誉会員特別相談役から除名)永遠なんじゃないか?と思わされた在来線乗り換えミラクルレースを何とか制して、リハのちょうど前、昨年7月ぶりに広島ヲルガン座に着いた。カーディガンの裾があほみたいに濡れてた。あーあ。ガーディアンみたいな雰囲気出しやがってこの名前負け羽織り物。リハが終わって、ヲルガン座の色んなとこで写真を撮った。途中、まだ殆ど話しても無かった高倉さんにちょっかい出して、「エロい写真撮りましょ」のタイムを生み出したけどそこは割愛。あっ割愛なんてするの久しぶりだ。元気してたか?割愛。こちらは元気だよ。お前もいい加減そろそろ愛を割かつの辞めなよな。結局辛いだろ?ほらな。まあ人のこと言えないかぁ。ちなみにこの写真の黒い人が高倉さんです。この日、この人のライブを観て涙を何度も堪えてたのを思い出す。2日後の大阪では零れてしまったやつです。こんなにも嘘偽りなく向き合って、突き止めて、削り出してる人を、たぶん初めてみた。本当に嬉しかった。本当だよ。次が自分で、そのままヲルガン座のステージに上がって、当たり前だけれどひとりきりに、誰よりも何よりも自分はひとりきりになった。空気に混ざる、埃までアンプみたいなもんだった。一瞬音楽を愛した、楽しんだ、そう、楽しんでしまって、軽やかにうたとギターが跳ねて、それが嬉しくて、楽しくて、楽しくて仕方なくって、それで、その事がとても悲しかった。その事を考えた。曲間、ステージにしゃがみ込む、親指の腹に6弦から食い込ませてそのまま強く掻き鳴らす、あの柔らかな肉から引っ掻いたような音が鳴ることも、全くもって不思議ではなくて、それはそんなの当たり前で、あの時もあの時こそ在るべき姿だった。悲しかった。続いてゆくこの先に、このひとときの楽しさが何の慰めにもならない、その事が頭を席巻していて、でもねその事が悲しいわけじゃない。その情けないけれど逃れられない事実を、現状を、中途半端に薄れさせてしまっている事、それが一番の悲しみだった、掻き鳴らすオンコードに色んなものが呼び覚まされて、止めない音に止め処なく、張り詰めたものがいつの間にか裂傷で道を退いた時、やっと怒りとやるせなさが混ざり合って湧いてきて、ちょうど声と涙が吐き出された。それができた。それはつまりひとりきりだった。そゆこと。それがねとても心地良い、いつまでも不慣れな破壊行動みたいなもので、俺にとっては音楽表現の本懐だった。昨年、深居さんとお好み焼きを食べた事を思い出した。前回大会 在来線乗り換えミラクルレースで見事出走ミスをやらかした私は半泣きで新幹線に乗って、何か途中で食べてて、せっかく奢って貰ったのに食えなくて、深居さんに半分くらい食ってもらったんだった。あほー。ちゃんと食えこの甘ちゃん。ミルキー。ピノ。メントス。そんなね 一度の夏の当たり前と、あの日々、それにずっと今も続くこの苦しい時間とが全部併さって、最後のうたの少し前 小さな子供に戻ったみたいだった。代わりでもなんでもなく音がした。終わって、皆でヲルガン座のソファに座った。ご飯を食べた。頑張らなくても、くたくたの身体からちゃんと喋れた。きっと楽しかった。CDを交換したりして、夜も増し始めた頃、こっそり上のふらんす座に忍び込んだ。窓枠いっぱいに身体を入れて遊んだ。交通量の少なさは屋内からも分かる、3階、夜、落ちてしまいそうなギリギリで、さっき終わったあのライブの事を考えてた。そのままのカオ、出来てたら良いなとちょっぴり思った。それからネカフェで少し吐いた。眠れないまま9:30が来たからここまで書いたけど、自分の本当を伝えようと思ったらこれでもやっぱり足りないんだなと思う。思える。面倒だけど、そう思えて留まれる自分で良かった。と思う。ホントはまだまだこの続きあるんだけど。今日のこの全文の良いところ教えましょうか。それはたぶん誰も傷つかないんじゃないかなってとこ。そう。ほらね。いつも通りの気持ちで書けば、大丈夫。どんな世の中でも。あとはピノと割愛に久しぶりに会えたとこかなぁ。優しく、なれるよね。努めたら。努めれば。

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